近年、プレジャーボート等小型船舶の隻数が著しく増加す
るとともに、この活動が年々盛んになっており、各種船舶が
輻輳する海域での航行の安全性が問われている。しかしなが
ら、これら小型船舶の具体的な活動状況としての船種による
行動範囲の差異や航行近傍海域での行動特性等はまだ不明な
部分も多い。これらプレジャーボート等小型船舶の航行特性
の解析には、レーダーを用いる方法が考えられるが、これま
でのレーダーによる船舶の航行実態観測は中・大型船舶を主
対象としたものが多く、小型船舶に的を絞った航行特性の解
析はあまり行われていない。
そこで、プレジャーボート等小型船舶の航行実態の解析に
関して、レーダーによる観測手法の技術的な検討を行い、そ
の手法を平潟湾周辺、江ノ島周辺の実海域におけるレーダー
観測に適用し、小型船舶の航行特性を航跡、密度、速力等に
ついて解析した。これらについて得られた主要な成果は以下
のとおりである。
1)レーダーによる小型船舶の捕捉範囲を明らかにした。
2)各種小型船舶の航行速度、密度分布を明らかにした。
3)小型船舶同士の離隔距離(最小接近距離)を明らかに
した。
4)航路近傍における小型船舶および中・大型船の航行状
況を明らかにした。
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