
浅海域における波浪変形計算法の拡張
港湾技研資料 NO.0767 1994.03
| 執筆者 | 鈴木康正,森川高徳,平石哲也,望月徳雄 |
| 所属 | 水工部 波浪研究室 |
要旨 | 本研究では、浅海域における波浪変形計算法の拡張として 、高山ら(1991)が開発したエネルギー平衡方程式法を 基礎とする波浪変形計算法を基に、2つの要素を取り入れた 。1つは、砕波帯内外での波高変化にともなう平均水位の変 動を、海浜流も含めて計算し、その変動量を考慮した波浪変 形計算法を試みた。2つめは、近年、港内の海水交換のため に建設が計画されている透過型防波堤が存在する海域での波 浪変形計算法を試みた。その結果、平均水位変動量を考慮し た波浪変形計算法については、一様勾配を対象とした合田の 砕波変形計算値、平面模型実験値および波崎現地観測値と比 較したところ、その差は、領域の最も岸側において平均水位 上昇量で5〜20%、有義波高で一部を除き5〜30%程度 であることから、本手法は妥当性があることがわかった。透 過型防波堤を考慮した波浪変形計算法についても、透過率4 2%(断面実験値)を有す透過型防波堤を用いた平面実験結 果との比較では、透過堤の影響を直接受ける港口部の区域に おいて、透過率40%で実施した計算値が実験値と6%以内 でよく一致し、港内についても、多重反射の影響が強い区域 や地形が複雑に変化する区域を除き、透過率40〜50%値 と実験値は15%以内の差であることから、本手法は、透過 堤が存在する海域での波浪変形計算に適用可能であることが 分かった。 |
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