港湾技研資料

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山留めの地震時の安定性に関する基礎的な検討

港湾技研資料 NO.0772 1994.06

執筆者松永康男,森田年一,桜井博孝,井合進
所属構造部 地盤震動研究室

要旨

 構造物の基礎あるいは沈埋トンネル等の地中構造物の建設
に際して、山留め壁、切り梁等を用いた山留め工による施工
が各所で用いられている。山留め工は仮設構造物であること
から、その設計は常時の荷重のみで行うのが通例であり、地
震時の影響は積極的に取り入れられていない。しかしながら
、山留め工の施工によって掘削された掘削部底面地盤におい
ては、掘削による受働抵抗の低下により常時の荷重下で破壊
に近い状態にあることが多く、必ずしも地震に対して安全で
あるとは言い難い。また、山留めの地震時の拳動および安定
性に関して基礎的な検討を行った事例もあまり見受けられな
い。                         
 本研究では、常時の荷重下で設計された山留めを対象とし
て二次元有効応力解析手法による地震応答解析により、山留
めを含む地盤全体の残留変形、山留め壁に用いられる矢板の
曲げモーメントの変化、矢板に加わる土圧の変化、切り梁の
軸力変化、掘削部地盤および周辺地盤の安定性、山留めおよ
び地盤の加速度応答等について基礎的な検討を行い、その特
徴を明らかにした。                  


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