港湾技研資料

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版により剛結された杭構造物の水平荷重に対する拳動

港湾技研資料 NO.0773 1994.06

執筆者菊池喜昭,高橋邦夫,廣橋哲次
所属土質部 基礎工研究室

要旨

 着底式くし形構造物の抵抗力の大半は杭が受け持つことが
明らかになっている。そこで、杭に着目し、頭部が版で固定
されている2本杭の水平抵抗特性を調べるために、室内で作
成した粘性土地盤において水平載荷試験を実施した。   
 本実験に先立って、粘性土地盤中の杭の水平載荷試験を実
施し、粘性土地盤を用いた実験で注意すべき事項について検
討を加えた。                     
 本研究の結果、以下のことが明かとなった。      
1)杭頭を版により剛結された杭構造物の水平抵抗力は杭の
間隔によって異なる。2)版で固定された杭構造物の杭間隔
が狭い場合には、杭頭が回転しやすくなることと杭間の地盤
の横抵抗性能が低下することが、水平抵抗性能を低下させる
理由である。3)杭頭固定度Rfは、杭間隔Sと曲げモーメ
ント第二ゼロ点lm1の長さの比(間隔比S/lm1)によ
って決まる。4)杭間粘土の横抵抗性能の低下は、間隔比S
/lm1だけではなく、杭間隔Sの影響も受ける。5)深度
方向の地盤反力分布から考察すると、横抵抗定数の低下は杭
の変位yの杭間隔Sに対する相対変位量の影響を受けている
。                          


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