1993年7月12日22時17分12秒、北海道南西沖
の奥尻島北方を震源とする気象庁マグニチュード7.8の地
震が発生した。気象庁によって、この地震は「平成5年(1
993年)北海道南西沖地震」と命名された。本地震によっ
て、北海道の小樽、寿都、江差、青森県の深浦で震度Vの強
震が記録されたのをはじめ、北海道および東北の各地に激し
い地震動がもたらされ多くの被害が発生した。また、本地震
によって発生した大津波によって、奥尻島をはじめ日本海沿
岸部の広い範囲で被害が発生し、200名以上の犠牲者が出
た。これらの被害によって、港湾施設の被害額は全体で約1
29億円に達した。本報告は、関係諸機関の協力の下に実施
された港湾・漁港施設の被害調査結果を報告するものである
。その内容は、港湾地域強震観測網によって得られた各港の
強震動に関する資料、各港の各施設に関する資料、被災施設
の被災状況に関する資料、被災施設の機能制限に関する資料
等である。調査の対象となった主な施設は、各種係船岸、防
波堤、護岸、桟橋、臨港道路等である。これらの被害報告は
、実地調査に基づく構造物の被害の詳細を示したものであり
、構造物の被害に関する詳細な解析結果は含まれていない。
また、津波被害に関する詳細な報告も含まれていない。
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