港湾技研資料

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コンピュータグラフィックスによる津波現象のバーチャルリアリティシステム

港湾技研資料 NO.0805 1995.06

執筆者酒井浩二,高橋宏直,平石哲也
所属計画設計基準部 システム研究室

要旨

 波浪現象等数値解析の結果は、数値データとして流況のベ
クトル表示や水位のコンター表示などによって出力されてき
た。これらの表記形式では、広域な計算領域全体を等しく把
握することはできるが、津波の来襲状況を動的に表して、地
域住民に視覚的な防災情報を与えることができない。最近は
、津波の伝搬状況を動画像化して示す試みがなされているが
、コンター表示されたものを連続的に画像表示したもので、
観測者の視点が固定され、臨海部における避難計画等の作成
には不十分である。そこであらかじめ計算した数値計算結果
をリアルタイムで動画表示しながら、観測者の視点を自由に
移動できるシステムを開発した。このシステムを用いると沿
岸部の住民の視点で津波来襲状況を表すことができ、的確に
防災・避難計画を立てることが可能になる。       
 本リアルタイム表示システムとしては、シリコングラフィ
ックス社製Onyx Reality Engine2を用
いた。津波画像を表示するにあたり、背景となる町並みや山
、港湾施設等の画像データを画像データベースとして管理し
、津波数値計算結果と統合して3次元画像として表現する。
画像表示を70インチスクリーン5面と円弧状に配置したシ
ミュレータにて行うことにより、室内の観測者は225°の
視野角を持ち、いわゆるバーチャルリアリティ(VR)の効
果をを期待出来る。今回はモデルケースとして昭和南海地震
における津波を須崎港を表示地域として出力した。        


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