港湾技研資料

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兵庫県南部地震による港湾施設の被害考察 (その7)ケーソン式岸壁の有効応力解析

港湾技研資料 NO.0813 1995.09

執筆者井合進,一井康二,森田年一
所属構造部 地盤震動研究室

要旨

 本研究では、1995年兵庫県南部地震における神戸港の
ケーソン式岸壁の被害の有効応力解析を行った。解析対象と
した岸壁は、六甲アイランド南側の水深14mの大型岸壁で
あり、水平変位4〜5m、沈下2m、傾斜角4度程度の変形
が発生している。解析に用いたモデルは、ひずみ空間におけ
る多重機構に基づくモデル、また、そのパラメタは、凍結サ
ンプリングなどの結果に基づき決定した。        
 解析の結果、ケーソン式岸壁の水平変位3.5m、沈下1
.5m、傾斜角4度の残留変形が得られ、先に述べた現地の
ケーソン式岸壁の変形とオーダー的に整合する結果が得られ
た。また、これらの変形の約半分はケーソン直下および背後
の土の過剰間隙水圧の上昇の影響によるもので、残りが慣性
力によるものであることが分かった。また、今回の地震は激
しい上下動を有するものであったが、ケーソンの上下動はロ
ッキングによるものが大勢を占め、人力地震動の上下動成分
の影響は小さいことが分かった。                        


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