港湾技研資料

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水中レーザー視認実験装置の設計・製作

港湾技研資料 NO.0825 1996.03

執筆者佐藤栄治,秋園純一,高橋英俊
所属機械技術部 海洋機器開発室

要旨

 港湾工事は一般には濁りのある水中で行われるため、施工
管理や品質管理のための計測や水中観察は、効率や精度の面
で十分ではない。特に水中観察に関しては、主として肉眼、
水中写真、あるいは、水中テレビカメラに頼っているために
、近距離しか見えないという問題がある。        
 濁水中での視認性を改善する方法は種々の方式が考案され
ており、最近の電子技術の発達によってレーザー発振器及び
関連機器の安定化、小型軽量化、低価格化が著しく進んだこ
とから、レーザーの水中視認への利用の可能性が高まってき
た。そこで、「水中レーザー視認システム」の開発を開始し
、水中レーザー視認実験装置の設計・製作を行った。   
 本実験装置は、光源にパルス光を使用し被写体から反射し
たパルス光が撮像装置に入射する瞬間の短い時間だけシャッ
ター(ゲート)を開いてそれ以外の時間の後方散乱光を排除
するレンジゲート方式を採用した。           
 当所の研究により懸濁物質の粒径により透過しやすいレー
ザーの波長が変化することが明らかになっているので、その
結果を生かすため波長可変なYAG−OPOレーザーを採用
している。レーザー発振装置の仕様は、最大出力10mJ/
Pulse(0.5W)、発振波長:450〜680nm(
可視光域全域)、繰返し数:50Hz以下、パルス幅:6n
m以下である。                    
 撮像装置はゲート付きイメージインテンシファイアによっ
て得られた像をSITカメラに送るようになっており、ゲー
ト幅は連続から3nsである。             
 水槽実験による水中レーザー視認実験装置は、濁水中での
視認性能が従来型水中テレビカメラに倉bて優れていること
が確認されている。                  


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