港湾技研資料

一覧へ戻る

円柱に作用する多方向不規則波力に関する模型実験と数値計算

港湾技研資料 NO.0830 1996.06

執筆者平石哲也,冨田康大
所属水工部 波浪研究室

要旨

 海の波は、様々な方向から来る波が重なり合った状態とな
っており、多方向不規則波としての性質を有する。そこで、
沖合の大水深海域に建設される海洋構造物の設計においては
、波の多方向性がどのような影響を与えるかを検討しておか
なければならない。本研究では、その検討の一環として、海
洋構造物の基礎として使われる小口径の直立円柱に作用する
多方向不規則波力の特性を、模型実験で調べた。また、実験
結果を基に、近似的に不規則波力の統計値を推定できる計算
モデルを提案した。模型実験と数値計算から以下の結論が得
られた。                       
(1) 主波向方向に作用する波力の成分は、波の多方向性
   が強くなると減少する。したがって、単一方向不規則
   波の場合に、主波向方向の波力成分は最大となる。 
(2) 主波向に対して横方向の波力成分は、波の多方向性
   が強くなるにしたがって増加する。したがって、多方
   向不規則波の場合には、横方向へ作用する波力を考慮
   しなければならない。              
(3) 円柱に作用する多方向不規則波力は、提案した数値
   計算モデルで推定できる。            


一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.