港湾・海洋環境で使用される軽量地盤材料には、海水中で
施工し使用できる、短期間に大量かつ経済的に施工できる、
地震力、波力、圧密沈下など沿岸域の環境に耐えうる、など
の特性が要求される。本研究は浚渫土を加工して港湾・海洋
空間に使用できる軽量混合処理土の開発を目的として実施し
た。対象とする軽量混合処理土は、浚渫土に気泡を混合して
固化する方式(気泡混合処理土)とEPSビーズを混合して
固化する方式(発泡ビーズ混合処理土)である。東京湾浚渫
土を用いた2種類の軽量混合処理土について、4.8m3の
型枠を用いた現場打設実験を実施した結果、以下のことがあ
きらかになった。
(1) 現場打設実験によって造成された地盤は、各種土質
試験の結果より概ね均一な地盤となっている。
(2) 造成された地盤の単位体積重量γtは配合で想定し
た値よりも大きくなっており、配合設計においては、
このような変化を考慮する必要がある。
(3) 気泡混合処理土の単位体積重量の増加の原因として
は、打設時の土圧の影響、消泡などが考えられ、今後
検討が必要である。発泡ビーズ混合処土は比較的単
位体積重量が安定した。
(4) 発泡ビーズ混合処理土を水中で打設する場合は、打
設の初期にビーズが分離して表面に浮き上がるので、
施工法の工夫が必要である。
(5) 造成された地盤特に関しては、気中打設、水中打設
による違いはそれほどみられない。
(6) 地盤から摂取したコアの一軸圧縮強度、一面せん断
強度、圧密降状圧力は相互による対応した。軽量混合
処理土は、硬質粘土および軟岩に近い強度変形特性を
示した。
(7) 1年経過後においても地盤の均一性は保持されてお
り、強度は約2倍に増加した。
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