港湾技研資料

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軽量混合処理土に及ぼす養生条件の影響

港湾技研資料 NO.0834 1996.06

執筆者土田孝,笠井寿太郎,水上純一,横山裕司,槌田和徳
所属土質部 土性研究室

要旨

 港湾・海洋環境における新しい地盤材料として、浚渫土を
用いた軽量混合処理土の力学特性について室内試験により検
討した。軽量混合処理土は、気泡と固化材を混合して固化し
た気泡混合土とEPSビーズと固化材を混合して固化した発
泡ビーズ混合土の2種類である。基本的な性質である混合性
、流動性、強度発現性を調べるために一連の配合試験を行っ
た結果、次のようなことがわかった。          
(1) 気泡やEPSビーズの混合性は土とセメントを混入
   したスラリーの粘性に影響される。気泡混合の場合は
   粘性が小さく、発泡ビーズ混合の場合は粘性が大きい
   方が望ましい。                 
(2) 軽量混合処理土の流動性は対象土の含水比によって
   大きく異なり、同じ含水比では発泡ビーズ混合土の方
   が気泡混合土よりも流動性は小さい。       
(3) 一軸圧縮強度quが2kgf/c?の以下の配合で
   は、気泡混合土よりも発泡ビーズ混合土のquが大き
   い。また、材令28日の強度は材令7日の強度の1.
   5〜2.0倍になる。              
(4) 気泡混合土の場合、気泡量が多くなると一軸圧縮試
   験の供試体の破壊は供試体の端面において骨格が除々
   につぶれていくように圧壊し、明確なせん断面が確認
   されなくなる。                 
 次に、港湾構造物で使用される環境を想定し、養生条件が
軽量混合処理土の諸性状に及ぼす調べ、次のような結果を得
た。                         
(5) まだ固まらない軽量混合処理土に水圧を作用させる
  と体積が減少し、単位体積重量が増加する。また、その
  影響で一軸圧縮強度も増加する。これらの増加の割合は
  、気泡混合土の報が発泡ビーズ混合土よりも大きい。 
(6) 上端面のみを海水中に露出させて水中養生した供試
  体の単位体積重量は、端面から2?の範囲を除けば養生
  圧力に係わらず材令91日まで大きな変化がなかった。
(7) 海水に浸漬された軽量混合処理土の一軸圧縮強度の
  低下は、海水と接する面からの劣化が原因である。劣化
  は供試体内部のCa分の溶出によると考えられる。劣化
  は浸漬日数とともに進行し、浸漬日数91日で7〜15
  ?であった。                   


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