最近新しい原位置試験として注目されている電気式静的コ
ーン貫入試験(CPT)とダイラトメーター試験(DMT)
を用いて、我が国の地盤に対して地盤調査を行った。調査地
点の土質構成は、海成粘性土が堆積している地点が5、緩い
砂で埋め立てられた地点が1、自然に砂が堆積している地点
が2、また特殊な例としてさんご混じり地盤が1地点である
。これらの調査から、CPTおよびDMTによる土の分類方
法、および設計に必要な地盤定数の求め方について議論する
。得られた主要な結論は以下の通りである。
1) CPT
? 機種によって、かなり測定値が異なる。特に周面摩
擦力は機種の違いによる差が著しい。
? CPTはほぼ連続的に測定が行えるので、地盤の詳
細な層区分に適している。
? 非排水せん断強度を求めるために必要なコーン係数
Nktは、8から16程度である。
? 砂地盤の相対密度をCPTによって、ある程度の精
度で予測することが可能である。
? CPTから微少ひずみ下での疑似弾性係数を求める
方法を導いた。
2) DMT
? DMTは他の原位置試験と比べて再現性が良く、ま
た劣悪な作業環境に適している。
? 地盤の分類はほぼ連続に近い形で可能である。
? DMTから地盤の設計定数を求める方法が提案され
ているが、場合によってはかなり精度が落ちるので適
用には十分な注意が必要である。
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