港湾技研資料

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軸方向引張力により初期ひび割れが生じた鉄筋コンクリート梁の力学特性

港湾技研資料 NO.0839 1996.06

執筆者山田昌郎,清宮理
所属構造部 構造強度研究室

要旨

 軸方向引張力と、これによる初期ひび割れの存在が、鉄筋
コンクリート梁部材の力学特性に及ぼす影響について、載荷
実験を行って検討した。実験供試体は、主鉄筋比とせん断補
強鉄筋比を変化させて27体製作した。供試体ごとに軸方向
引張力の大きさと初期ひび割れの有無を変化させて実験を行
った。                        
 実験結果から、軸方向引張力と初期ひび割れの存在により
、載荷初期の梁の曲げ剛性が低下し、たわみとひび割れ幅が
大きくなった。初期ひび割れの幅の、曲げ載荷に伴う増加量
は、鉄筋ひずみの増加量に比例した。降伏曲げモーメントの
低下度は、既往の算定方法による計算結果とほぼ一致し、初
期ひび割れの有無による差は無かった。せん断補強鉄筋のひ
ずみはトラス理論に基づいて計算できた。軸方向引張力と初
期ひび割れの存在が、せん断ひび割れの発生状況とせん断耐
力に及ぼす影響はほとんど認められなかった。      


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