1962年より実施されている港湾地域強震観測網におい
ては、1994年12月31日現在、4840個の強震記録
が蓄積されるに至っている。この内、1994年中には19
4個の強震記録が得られている。強震計の台数としては、1
994年12月31日現在、89台の強震計が56港に設置
されており、設置状況としては、63台が地盤上に、12台
が地中に、14台が構造物上となっている。本強震観測網で
は、機械式アナログ記録方式のSMAC−B2型強震計、電
気式アナログ記録方式のERS−B、−C,−D型強震計お
よび電気式デジタル記録方式のERS−F、−G型強震計の
6種類の強震計が使用されている。ただし、SMAC−B2
型強震計については、数地点の例外を除いて最新型のERS
−G型強震計に数年の内に更新される予定となっている。
本報告は、1994年に港湾地域強震観測網で得られた記
録について報告するものである。本観測網で得られた記録は
、地震毎に分類され、地震諸元、観測地点、記録番号、最大
加速度等とともに、本報告に掲載されている強震観測表(S
trong−Motion Earthquake Obs
ervation Results)にまとめれている。強
震観測表の地震諸元は、気象庁地震津波監視課発光の「地震
月報」および「地震火山概況」に基づいている。また、強震
記録の記録番号は、各観測地点から記録が送られてきた順番
に付けられており、記録の分類として、頭文字「S」で始ま
る記録はSMAC−B2型強震計で得られた記録、「M」は
ERS−B,−C,−D型強震計で得られた記録、「F」は
ERS−F,−G型強震計で得られた記録をそれぞれ示して
いる。強震観測表にまとめられている記録の中で、最大か速
度が20Galを越える記録については、、観測結果として
再生した加速度記録波形を示している。また、最大か速度が
50Galを越える比較的大きな記録については、さらに、
補正加速度記録波形、速度波形、変位波形、応答スペクトル
、フーリエスペクトル、水平面内の加速度・速度・変位の軌
跡も併せて示している。
1994年中には、10月4日22時22分に北海道東方
沖地震(M=8.1)、12月28日21時19分に三陸は
るか沖地震(M=7.5)の被害自身がそれぞれ発生し、港
湾地域強震観測網においても多くの記録を得ることができた
。これらの2地震から得られた記録については、強震観測表
にその結果を掲載するが、記録波形等については、別報の「
1994年北海道方法沖地震の港湾地域における強震記録」
、「1994年三陸はるか沖地震の港湾地域における強震記
録」にて詳細に報告する。
1994年における港湾地域強震観測は、以下に示す諸機
関の協力の下に実施された。
運輸省港湾局 運輸省港湾建設局 北海道開発局港湾部
沖縄開発庁沖縄総合事務局 東京港湾局 静岡県港湾課 宮
崎県港湾課 大阪市港湾局
|