港湾技研資料

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TSLに対応した4個吊コンテナ垂直荷役実験

港湾技研資料 NO.0862 1997.03

執筆者高橋康弘,藤本健幸
所属機械技術部 機械作業システム研究室

要旨

 インターモーダルにおいて、航空機と既存貨物船との間に
位置する新しい輸送モードとしてTSL(テクノスーパーライナー)が
実用化を目指している。TSLの実用化のためには、荷役時
間、接岸時間等の港湾内における所要時間の短縮が必要であ
る。そこで、20ftコンテナ150個を積載して50ノットで輸送する
TSLは、岸壁荷役のための所要時間を1時間(船積みが30
分、陸揚げが30分)に目標を置いている。これは、コンテナ
1個あたり12秒で荷役することになり、1個あたり60〜120秒
を要する通常のコンテナ荷役では目標を達成できない。した
がって、TSLに対応した高速荷役システムを開発する必要
がある。
 本研究においては、TSL対応高速荷役システムとして4
個吊りコンテナ垂直荷役方式を考案し、その中でもっとも重
要な技術の一つである上下2段のコンテナを連結するための
コンテナ上下連結装置を開発した。また、その装置の実験用
模型を製作し、TSL実海域実験船「飛翔」を使用した4個
吊りコンテナ垂直荷役実証実験を実施した。
 本資料において得られた主要な結論は以下のとおりである
。
1)コンテナ上下連結装置及び4個吊りコンテナ垂直荷役の
実現性を確認した。
2)コンテナを吊っていない状態の動作においては、スプレ
ッダの形状の変更は影響しない。
3)横行動作には、4個吊りの影響は出にくい。
4)複数個のコンテナ(2個及び4個)を吊った状態におけ
る巻き下げ動作は、所要時間が長かった。
5)複数個吊り荷役におけるサイクルパスに特異点はなく、
高さの差はあるものの1個吊り荷役と同様の操作で荷役でき
る。


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