港湾技研資料

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ナウファス(全国港湾海洋波浪情報網)による我国沿岸の波浪特性の解明

港湾技研資料 NO.0863 1997.06

執筆者永井紀彦
所属水工部 海象調査研究室

要旨

 本論文は,全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス:NOW
PHAS:Nationwide Ocean Wave information network
 for Ports and HArbourS)によって長年蓄積された波
浪観測データによって明らかにされた我が国沿岸の波浪特性
について述べるとともに,今後の課題およびナウファスの発
展の方向を示すものである。
 ナウファスは,港湾事業の計画・設計・施工の各段階で必
要不可欠となる沿岸波浪情報を取得する目的で,運輸省港湾
局,各港湾建設局,北海道開発局,沖縄総合事務局および港
湾技術研究所が,長年にわたって構築・運営してきている,
我が国沿岸の波浪観測ネットワークである。ナウファスは,
港湾事業ばかりではなく,広く沿岸域の開発・利用・防災・
研究に貢献しており,今後その役割はますます大きなものと
なりつつある。
  本論文では,ナウファスの発展の歴史的経緯と現況を紹介
し,現在までに明らかにされた波浪観測の成果を,長期間の
有義波高・周期統計としてとりまとめるのとともに,特に,
アレー式の高精度方向スペクトル観測が行われているいわき
沖(水深154m)と新潟沖(水深35m)の観測データに注目し
て,方向スペクトルの出現特性の検討を行った。さらに,今
後のナウファスの発展の方向として,海中超音波信号のドッ
プラー効果を応用した海象計の開発を紹介するとともに,連
続的な観測を実施する必要性とその具体的なシステムについ
て,最近観測された津波や長周期波の観測例を示しながら検
討を行った。


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