
高把駐力アンカーの模型実験
港湾技研資料 NO.0866 1997.06
| 執筆者 | 石塚浩次,林田善久 |
| 所属 | 機械技術部 主任研究官 |
要旨 | 作業船等の係留で安定した大きい係留力を得るため,アン カー重量が軽量で,曳引力の大きい高把駐力アンカーが求め られている。高把駐力アンカーは,フルーク部が幅広形状を 有し,曳引に伴って土中へ深く潜り込み,土の自重やせん断 力によって高い把駐力が得られる。一方で,フルーク部分が 幅広い面積を持つことによって,フルーク左右面に作用する 力が不均衡になり易く,土中での安定性が低下する。 本研究は,模型実験によって高把駐力アンカーの土中への 貫入機構,曳引力,またアンカー姿勢の安定性等について明 らかにした。主要な結論は,以下の通りである。 (1)高把駐力アンカーの曵引力は,曳引距離2mで最大200 kgfに達し,把駐力係数で表すと100程度となる。 (2)面積が同一の場合,フルーク形状による曵引力の差は 少ない。 (3)曳引力は主にシャンク角度に依存し,概ね25°付近で 最大になる。 (4)曳引力は,フルークの貫入深さの1.5乗に比例して増 加する。 (5)フルーク刃先廻りのモーメントの計算によって,シャ ンク角,曵引方向,アンカー重量等の影響を評価することが できる。 (6)曵引中のアンカーの傾きを積極的に補正して,安定し た姿勢が保持できる安定板付アンカーを提案した。 |
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