港湾技研資料

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ケーソン式岸壁底版の地震時安全係数に関する事例解析

港湾技研資料 NO.0867 1997.06

執筆者長尾毅
所属計画設計基準部 主任研究官

要旨

 長年にわたり許容応力度法によって行われてきた鉄筋コン
クリート港湾構造物の設計は,限界状態設計法へ移行するこ
とが予定されている。このため,筆者は,港湾構造物の特性
を考慮した安全係数のキャリブレーションなどを行ってきた
。しかしながら,ケーソン式岸壁の地震時の安全性照査方法
に関しては,データが十分ではなかったこともあり,安全係
数の設定の妥当性に関する検証は十分とはいえなかった。本
報告では,兵庫県南部地震および三陸はるか沖地震の2つの
地震を対象に,それぞれ神戸港および八戸港のケーソン式岸
壁について,限界状態設計法によるパラメータ解析によって
底版の安全性を照査した。その結果,現在用いられている安
全性照査基準は,荷重算定にかかる不確定要因などの影響に
より,特に曲げについて結果的にかなり安全側に設定されて
おり,設計のバランス上からは部材係数を標準的な値よりも
低く設定することが適切であることがわかった。


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