港湾技研資料

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長周期波による港湾施設の被害特性とその対策工法に関する調査

港湾技研資料 NO.0873 1997.09

執筆者平石哲也,白石悟,永井紀彦,横田弘,松渕知,藤咲秀可,清水勝義
所属水工部 波浪研究室

要旨

 大型の係留船舶が大きく水平に動揺し,荷役不可能となる
現象の主要因である長周期波について,その特性を検討する
ために現地観測を実施した.
 その結果,港外では,波群に拘束された波として長周期の
水位変動が形成されるが,防波堤による回折や沿岸からの反
射現象により,港内では自由進行長波として伝播することが
わかった.そして,長周期波の周期と船舶と係留索からなる
固有周期が一致すると,共振により大きなサージ動揺が生じ
る.長周期波の観測体制としては,現行のナウファスの有効
活用が考えられる.
 長周期波による被害を軽減するためには,主に以下のよう
な対策が提案できる:
  1)係留索の材質や係留装置の配置を変更することによ
り,係留系の固有周期を変え,共振現象を防ぐ.
  2)防波堤の延伸や新設により,侵入する長周期波エネ
ルギーを低減する.
  3)港湾形状の一部改良により,多重反射による長周期
波の増幅を防ぐ.


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