石炭灰や鉄鋼スラグなどの産業廃棄物は、大量に埋立処分
されており、これ以上の処分に困難を生じてきている。一方
、港湾工事においては、砂をはじめとする良質の天然材料が
不足するようになっている。リサイクル法には、石炭灰や鉄
鋼スラグを指定副産物として、特に有効利用を推進するべき
ものとされている。また、港湾工事では、このような土砂代
替材料の使用料が非常に大きいので、有効利用が進めば、そ
の意味は極めて大きい。そこで、これら材料の有効利用のた
めの技術開発が必要となる。
そこで、文献調査、室内試験、現地調査などにより土質材
料としての特性を把握し、次に現地実験により挙動の特性お
よび施工性などを調査した。その結果、一般のフライアッシ
ュについては、軽量であることと若干のポゾラン活性を有す
ることを活かして、少量のセメントを混ぜて固めることによ
り適切な強度を持つ軽量の材料として、有効に利用すること
ができることが明らかとなった。
また、製鋼スラグは、膨張性を有する重い材料であり、内
部摩擦角が大きいという特徴を活かすような利用法として、
中詰め材料およびSCPの材料に用いた現地実験を行い、そ
の有効性を確かめた。
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