港湾技研資料

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長期波浪観測結果に基づく我国沿岸の波パワー出現特性の検討

港湾技研資料 NO.0895 1998.03

執筆者永井紀彦,渡邉弘,川口浩二
所属水工部 海象調査研究室

要旨

 本資料は,全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス:NOW
PHAS:Nationwide Ocean Wave information network
 for Ports and HArbourS)によって長年蓄積された波
浪観測データによって明らかにされた我が国沿岸の波パワー
の出現特性について述べたものである。解析対象データとし
ては,1970年から1994年までの25年間の日本海側・太平洋側
各9観測地点における2時間毎の有義波高と有義波周期を用
いた。
 この結果,波パワーの出現分布は対数正規分布に近いもの
となること,我国沿岸の波パワーは累年平均値としては日本
海北部沿岸および太平洋南西部沿岸で比較的大きな値となり
8から10KW/mとなること,日本海側の方が太平洋側より
も波パワーの時間的偏在性がより著しいこと等が示された。
 こうした波パワーによる波候統計解析結果は,以下の分野
における研究の基礎資料として活用が期待される。
?波力発電の計画
?長周期波の出現と波パワーの関係の検討
?地球環境変動特性の研究
?海洋生物の生息状況と波浪条件の関係の研究


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