港湾技研資料

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新形式ろ過材を用いた余水処理装置の開発

港湾技研資料 NO.0902 1998.06

執筆者加藤英夫,藤本健幸,佐藤勇二,谷本裕史
所属機械技術部 浚渫埋立研究室

要旨

埋立余水の放流に際しては,その濁度に応じて凝集剤等の薬
剤を大量に使用し余水の処理を行う必要がある.そのために
は現状では大掛かりな余水処理施設を製作することになり,
多額の費用がかかり経済性が悪い.この問題を解決するため
,新しいろ過材を用いた水処理技術を開発した.ろ過材とし
ては最近開発された中空円筒状のろ材と繊維立毛ろ布を用い
た.中空円筒ろ材を用いて深層ろ過装置を,繊維立毛ろ布を
用いて回転ドラム式ろ過装置を考案し,模型実験,現地実験
を行った結果,両方式とも従来の凝集沈殿装置に比べて処理
能力はほぼ同等で,経済性に優れ,実用性も高い方式である
ことが判明した.深層ろ過装置,ろ布ろ過装置ともに移設可
能な構造で,所要面積が従来法の約1/5〜1/9,建設費が従来
法の約1/2,運転費が約1/2〜3/4と経済性に優れている.適
用領域もSS濃度1000mg/lの原水をろ過速度5〜10m/hで少量
の凝集剤(ポリマー0.4〜0.5mg/l)の使用により処理水SS
濃度30mg/l以下まで処理でき,極めて有望な方法である.


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