
溶液型注入固化材による液状化対策工法の開発
港湾技研資料 NO.0905 1998.06
| 執筆者 | 山崎浩之,前田健一,高橋邦夫,善功企,林健太郎 |
| 所属 | 土質部 主任研究官 |
要旨 | 主として既存構造物下部地盤の液状化対策工法を開発する ことを目的として,溶液型の注入固化材による液状化対策工 法の開発が進め,以下の結論を得た. (1)一軸圧縮強さqu=1.0kgf/cm2の低強度の改良土を用いて長 期耐久試験を実施した結果,400日程度では有意な強度低下 は見られない. (2)浸透能に影響を及ぼす固化時間はpHの影響を大きく受け るが,溶液のpHを調整することにより8時間以上の固化時間 が確保される. 注入工法の現地実験を実施し,改良地盤の出来形,均質性 ,改良効果等について以下の結果が得られた. (3)改良体は球形ではなく,平面が円形で側面が長方形に近 い偏平な形状になっていた.これは地盤の透水に関する異方 性の影響と考えられる. (4)間隙水による薬液の希釈も考慮し,薬液濃度を変化させ て行ったが,注入孔に近くなるほど一軸圧縮強さは大きくな り,完全に均質には固化しなかった.しかし,希釈を考慮す ることにより,より均質な改良体が作れることが確認された . (5)乱さない試料を採取し繰返し三軸試験を行った結果,液 状化抵抗が無改良のものより2倍以上大きくなっており,液 状化に関する改良効果を確認できた. |
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