主として既存構造物下部地盤の液状化対策工法を開発する
ことを目的として,溶液型の注入固化材による液状化対策工
法の開発が進め,以下の結論を得た.
(1)一軸圧縮強さqu=1.0kgf/cm2の低強度の改良土を用いて長
期耐久試験を実施した結果,400日程度では有意な強度低下
は見られない.
(2)浸透能に影響を及ぼす固化時間はpHの影響を大きく受け
るが,溶液のpHを調整することにより8時間以上の固化時間
が確保される.
注入工法の現地実験を実施し,改良地盤の出来形,均質性
,改良効果等について以下の結果が得られた.
(3)改良体は球形ではなく,平面が円形で側面が長方形に近
い偏平な形状になっていた.これは地盤の透水に関する異方
性の影響と考えられる.
(4)間隙水による薬液の希釈も考慮し,薬液濃度を変化させ
て行ったが,注入孔に近くなるほど一軸圧縮強さは大きくな
り,完全に均質には固化しなかった.しかし,希釈を考慮す
ることにより,より均質な改良体が作れることが確認された
.
(5)乱さない試料を採取し繰返し三軸試験を行った結果,液
状化抵抗が無改良のものより2倍以上大きくなっており,液
状化に関する改良効果を確認できた.
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