要旨 |
海上工事で用いるマウンド材や裏込め材としての良質の自
然石材が減少してきており,かつ自然環境の保全という観点
からその採取・利用が困難となってきている.現在のところ
,このような傾向は一部地域に限定されているが,将来的に
は全国的に広がることが予想される.一方では,建設副産物
として発生するコンクリート塊は,平成7年度で約3,650万t
であるが,その有効利用は約65%に留まっており,残余は処
分場に埋立処分されている.本論文ではコンクリート塊のレ
キ材・地盤材料としての適用性を調べるため,その力学特性
とアルカリ成分等の溶出特性について検討している.
コンクリート塊破砕直後の試料を用いた大型三軸試験によ
る強度定数は,見かけの粘着力Cd=0.2kgf/cm2とすると,内
部摩擦角φdは30度以下となる.一方,相似粒度で実施した
中型三軸試験結果を同様に整理すると,φdは35度を確保で
きることとなる.以上の結果から,コンクリート塊のような
個々の粒子が不均一な材料では,相似粒度の概念を適用する
ことは難しいことがわかった.溶出試験結果によると,コン
クリート塊からの溶出水は「海洋投入処分規定」を満足して
いることが確認された.
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