港湾技研資料

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被災した係留施設の残存耐力の評価手法の開発

港湾技研資料 NO.0912 1998.09

執筆者小泉哲也,山本修司,竹地晃一郎,門脇陽治
所属計画設計基準部 設計基準研究室

要旨

本研究では,地震による自然災害を受けた係留施設(ケーソ
ン式及び鋼矢板式)が変形または滑動した後に供用すること
が可能かどうか,すなわち,「残存耐力」がどの程度保持さ
れているのかを数値的に把握する手法を検討した。
重力式(ケーソン式)の係留施設については,現行の港湾の技
術上の基準・同解説の手法に基づき,被災した変形形状を考
慮した安定解析により安全率を計算し,残存耐力を評価する
手法を開発した。
鋼矢板岸壁については,被災直後の被災状況調査より速やか
に得られる指標として,「変形モード」及び「最大変位量」
の2つを取り上げ,静的弾塑性解析手法による解析モデルを
構築し,併せて,過去の鋼矢板岸壁の被災事例を用いてその
適用性を検証した。
その結果,鋼矢板岸壁の解析モデルは過去の被災事例につい
て,矢板の変形、曲げモーメント及び被災程度を精度良く再
現できることが確認された.なお、ここで開発した評価手法
は,緊急時の利便性に配慮しパーソナルコンピュータで簡便
に実行できる1つのプログラムとすることができた。


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