港湾技研資料

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大水深混成式防波堤(水深60m級)の地震応答観測と解析

港湾技研資料 NO.0944 1999.09

執筆者篠沢巧,林恒一郎,平出友信,井合進,上部達生
所属構造部 地震防災研究室

要旨

 水深60m級の大水深混成式防波堤で強震観測および動水圧
観測を実施し,観測結果の中間報告的なとりまとめを行った
.今回のとりまとめまでに得られた観測記録は,最大加速度
が高々100Gal程度のもので,観測された地震時動水圧にも、
波浪の影響などが含まれている可能性があり,現時点で大水
深混成式防波堤の地震時挙動に関する断定的な結論を下すこ
とは時期尚早である.しかし,以下の点については,ある程
度の見通しが得られた.
 (1)今回観測対象とした水深60m級の大水深混成式防波
堤の振動数増幅特性は,マウンドを含む防波堤全体系の固有
振動数1.6Hzおよびマウンド上に設置されたケーソン部分の
固有振動数2.2Hzが重ね合わさったものとなり,ケーソン天
端ではこれら両振動数が卓越するものとなった.
 (2)動水圧観測により得られた動水圧の観測値は,West
ergaard式、Zanger式による計算値よりも小さな値を示した
.
 (3)等価線形法に基づく水−地盤−構造物連成系の地震
応答計算を実施し,観測結果と比較した結果,応答加速度お
よび動水圧の最大値は,観測値と計算値でほぼ一致し,100G
alレベルの地震に対する本解析法の適用性について,ある程
度の見通しが得られた.


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