近年の東アジア地域における経済発展に伴い,コンテナ貨
物輸送は急速に拡大しており,世界におけるコンテナ荷動き
はいっそう活発になってきている.さらに,近年の国際海上
コンテナ輸送を取り巻く環境は,コンテナ船の大型化や企業
の再編等の影響を受けて大きく変化している.こうした状況
のもと,本研究では,東アジア地域と北米地域を行き交うコ
ンテナ貨物に着目し,それらコンテナ貨物流動とその動向に
ついて分析を行った.
さらに,コンテナ貨物が輸送されるコンテナ航路の分析を
加え,東アジア地域の主要港湾におけるコンテナ貨物集積の
要因について明らかにすることを目的とした.
これらの分析から,東アジア地域と北米間におけるコンテ
ナ貨物の流動状況や東アジア地域の主要港湾における流動パ
ターンの特性が明らかになった.また,航路パターンに基づ
く北米基幹航路やアジア域内航路の寄港状況を示すことによ
り,コンテナ貨物流動との関連性について検証することがで
きた.特に,東アジア地域の大きな動向であるトランシップ
貨物の増大は,東アジア地域内に数多く集積されたフィーダ
ー航路による集荷能力の高まりが大きな要因となっているこ
とが明らかになった.
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