
干潟の地形変化に関する現地観測 −盤洲干潟と西浦造成干潟−
港湾技研資料 NO.0965 2000.09
| 執筆者 | 古川恵太,藤野智亮,三好英一,桑江朝比呂,野村宗弘,萩元幸将,細川恭史 |
| 所属 | 海洋環境部 海水浄化研究室 |
要旨 | 新たな港湾・海岸環境空間として干潟を創造する際,その 地形変化を予測することは,そこに形成される生態系も含め て,動的に安定した系を創り出すために重要である.そこで 干潟の地形変化に関する基礎知識を集積し,その予測手法の 可能性を探ることを目的として,東京湾内湾に位置する自然 干潟および三河湾の造成干潟において地形変化に関する経年 的な現地観測を実施した. その結果,自然干潟では小規模な地形変動を繰り返しなが らも,全体として大きく形状を崩さずにその姿を保っている ことが観測された.また,造成直後の干潟では造成後時間と ともに平衡地形に近づくような地形変化の様子が観測された . 地形変化の原因を探るために,干潟上での風,波,流れ等 を計測し,観測期間における干潟直上の浮遊懸濁物(SS) の移送量および移送方向を求め,風による流れと潮汐による 流れに起因する移送量とに分けて検討を行った.その結果, 観測期間中の卓越風向に一致する方向でのSSの移送が顕著 であること,それは波により発生したSSが潮流に影響され ながらも,主には吹送流で一方向に移送されていることなど が示された. 最後に干潟に出現する特徴的な微地形(砂連,澪筋/水道 ,低潮帯付近に形成されるサンドウェーブ)の観測結果を示 した. |
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