
起重機船の吊フック振れ止めシステムの開発 ―水理模型実験による減揺効果の確認―
港湾技研資料 NO.0966 2000.09
| 執筆者 | 白石悟,鈴木智亮,川原弘靖,平石哲也,堀地達郎,西原直 |
| 所属 | 構造部 海洋構造研究室 |
要旨 | 我が国の沿岸海域では,風・波浪等の外力の作用する厳し い自然条件の下で海上工事が実施されており,その施工は常 に気象・海象条件に大きく左右される.そのなかでも起重機 船による荷役作業等では目視される波高はかなり小さくても ,うねり性の波浪が作用する場合には起重機船の吊フックが ,船体動揺に伴い前後・左右に振れまわり,玉掛け作業が困 難となることから,工事の稼動率が低下することがある.こ のようなことから,稼働率を向上させ,かつ安全に玉掛け作 業等が実施できるように起重機船の吊フックの振れ止め装置 の開発が待ち望まれている. 本研究においては,吊能力300トンクラスの全旋回式起重 機船の模型船を製作して,模型船の起重機部に二又アーム装 置を取り付け,船体動揺に連動してフックの水平変位量が最 小となるように,二又アームを伸縮制御してフックの水平動 の減少を図る振れ止めシステムの開発を行なった.この二又 アーム装置によるフックの振れ止めの効果を検証するために ,平面水槽において波浪条件を種々変更して動揺実験を行っ た.その結果,二又アーム装置を制御することにより,起重 機船の吊フックの振れ量は大幅に減少させることができるこ とが確認された. |
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