港湾技研資料

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台風9918号による西日本沿岸の波浪と潮位の出現特性

港湾技研資料 NO.0969 2000.12

執筆者永井紀彦,橋本典明,佐藤和敏
所属水工部 海象調査研究室

要旨

 台風9918号は,九州・山口地域に港湾・海岸施設や沿岸域
に甚大な被害をもたらした.本資料は,台風9918号来襲時に
全国港湾海洋波浪情報網(NOWPHAS:Nationwide  Ocean Wav
e information network for Ports and HArbourS)の波浪観
測データと,関係機関から収集した沖縄・九州・中国・四国
地方沿岸の潮位観測データを,とりまとめ沿岸における波浪
と潮位の出現特性を検討し,今後の防災対策等のための基礎
資料として資することを目的としたものである.
 1.台風9918号に伴い観測された最大有義波高は,中城湾の8
.87mであり,当台風による発生波浪の特徴は,内湾に位置する
鹿児島,苅田で既往最大有義波高を更新したことである.
 2.台風9119号との比較により,台風の通過経路に応じて局
所的に波高が大きく異なる事例を確認した.
 3.高潮偏差は周防灘湾奥部に集中した後,反射伝播があり,
瀬戸内海では東進し,周防灘・豊後水道では南下すると推定
された. また,八代海・島原湾では,湾西岸と東岸の間で往復
していると推定された.
 4.波浪の極大発生時刻と台風位置の関係について,東西岸
別の観測結果を島の遮蔽を考慮し合理的に説明できた.


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