港湾技研資料

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経験的サイト増幅特性に基づくシナリオ地震の地震動の試算

港湾技研資料 NO.0991 2001.06

執筆者野津厚,井合進
所属構造部 主任研究官

要旨

 構造物の耐震設計や既存構造物の耐震性照査の目的で模型
振動実験や地震応答計算を実施する機会が多くなってきた.
このとき,どのような地震動を入力地震動として与えるかは
重要な検討項目の一つである.一般に地震動は震源特性・伝
播経路特性・サイト特性に応じて異なるので,地震動評価に
おいてはこれらの影響を適切に考慮する必要がある.このと
きサイト特性については,工学的基盤面より上の浅部地盤構
造のみならず工学的基盤面以下の深部地盤構造の影響を考慮
することも重要である.
 本研究では,まず,1995年兵庫県南部地震の関西国際空港
の強震記録について検討し,観測された地震動が深部地盤構
造の影響を受けた特徴あるものとなっていることを明らかに
した.次に,観測された地震動から経験的サイト増幅特性を
抽出し,それに基づいてシナリオ地震に対する地震動評価を
行うための手法を提案した.最後に,提案手法を関西国際空
港に適用して,中央構造線のシナリオ地震(M7.8)に対する
地震動の試算を行った.その結果,提案手法によりサイトの
特性を反映した地震動評価が可能であることが明らかとなっ
た.


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