港湾技研資料

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鉄筋コンクリートケーソンの構造設計の合理化に関する2,3の検討

港湾技研資料 NO.0995 2001.06

執筆者横田弘,福島賢治,秋本孝,岩波光保
所属構造部 構造強度研究室

要旨

 ケーソン構造は外郭施設や係留施設に用いられる代表的な
構造である.その構造は,近年の施設の大水深化や厳しい海
象条件下での供用に伴って大型化が進んでおり,より合理的
で経済的な部材設計法が求められている.その一環として,
先般の技術基準の改訂により,ケーソンの部材設計法には限
界状態設計法が導入された.しかし,設計法における部材断
面力算定においては従来の手法を踏襲している部分が多く,
合理的なものとなっていない箇所があると考えられる.そこ
で本研究では,現行設計法の改善可能箇所として,部材の設
計スパン長の短縮およびモーメント算出時における中詰砂の
影響の2項目を抽出し,それぞれについての検討を行った.
また,部材設計法改善のための検討と併せて,斜め方向から
引張力を受けるケーソン吊筋の力学挙動についての検討も行
った.その結果,ケーソン側壁部材の固定点がハンチ直下〜
側壁内のりにある可能性が高くスパン長短縮が図れること,
中詰砂の抵抗力によって側壁の発生モーメントが低減される
ことなど,ケーソン部材設計合理化のための基礎的なデータ
を得ることができた.また,ケーソン吊筋周辺コンクリート
の設計せん断耐力算定式の見直しを行い,新たな算定式の提
案を行った.


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