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国際海上コンテナ貨物の背後流動距離分析

国総研資料 NO.0020 2002.03

執筆者三谷正人,楠根経年,平井洋次,渡部富博
所属港湾研究部  港湾システム研究室

要旨

 本分析では,貨物量が増大しているとともに,背後圏がバ
ルク貨物に比べて広い国際海上コンテナ貨物を対象に,港湾
とその背後の生産地・消費地までの陸上輸送について,流動
距離に着目した分析を行なった.
 これにより,以下の解析結果を得ることができた.
(1)国際海上コンテナ貨物取扱量の多い8大港のコンテナ貨物
の背後流動,港湾別や輸出入別等の流動距離特性の違いにつ
いては,
 1.東京港,横浜港,大阪港,神戸港の背後への流動距離が
  他の4港に比べ長い.
 2.8大港の多くの港湾において,輸出よりも輸入コンテナ
  の平均流動距離が短い.
 3.アジア航路の平均流動距離は北米航路や欧州航路の平均
  流動距離と大きな差がない.
(2)平均流動距離を算出する際の行政区分の違いについては
,生産地・消費地を市町村レベルで分析す る場合と,都道
府県レベルで分析する場合で,平均流動距離が大きく増減す
るケースがある.
(3)陸上輸送コストの検討等にあたっては,背後圏分析にお
ける行政区分の設定,港湾と背後圏との平均流動距離の検討
などが重要である.
 これらの結果は,港湾整備に伴う陸上輸送コストの削減の
検討,環境への負荷の検討等の際の基礎資料となるものであ
る.

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