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風洞水槽実験による波浪推算モデルSWANの検証

国総研資料 NO.0090 2003.06

執筆者水谷夏樹,OH,Sang Ho,佐藤祐司,鈴木 武
所属沿岸海洋研究部  沿岸域システム研究室

要旨

本研究では現状における波浪推算モデルの基本的な推算特性を水槽実験データに基
づいて明らかにすることを目的とし、近い将来のモデルの改良に資する資料として
とりまとめを行う。まず、風洞水槽における風速及び水面変位の精度の高い実験計
測を行い、それらを入力条件として波浪推算モデルSWANの計算を行った。その
結果、風から波への入力に対して理論モデルから導かれる周波数帯にほぼエネルギ
ーが入力されていることが確認された。しかし、発達の過程において周波数スペク
トルのピーク密度が実験値に対して発達が弱く、しかもそれらの発達が風速と吹送
距離に依存することが分かった。ピーク周波数の遷移についても、特に弱い風速の
ケースで十分ではなく、砕波の影響が示唆された。一方、有義波高や有義波周期レ
ベルでは一定の精度が確認された。このことから、エネルギー全体の輸送について
はある程度正しく計算されているものの、スペクトル形状を保持することができな
いという問題点を明らかにした。

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