国総研資料

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廃棄物海面処分場遮水工に用いられる遮水材の変形強度特性

国総研資料 NO.0124 2003.12

執筆者狩野真吾,諸星一信,小田勝也,近藤三樹郎
所属沿岸海洋研究部  沿岸防災研究室

要旨

 本研究では,廃棄物海面処分場の遮水工に現在多く使用されている塩化ビニル
(PVC)製遮水シートおよび短繊維不織布について,単軸引張り変形中に遮水シートに
発生する応力,ひずみの温度依存性,ひずみ速度依存性,ならびに遮水シート,不
織布の応力緩和特性を把握するための室内試験を行い,得られた結果について粘弾
性モデルによる定量評価を試みた.その結果,温度の増加に対して遮水シートの破
断強度は減少し,逆に破断ひずみは増大した.また,ひずみ速度の増加に対して遮
水シートの破断強度は低ひずみ速度領域(?250 %/min)で増大する傾向がみら
れ,破断ひずみは若干の増大傾向を示した.遮水シートの応力緩和曲線はひずみ量
によらずほぼ一定の傾向を示し,120分後の応力は初期応力の34%に緩和されたが,
不織布の場合はひずみ量の増加とともに緩和率が増大する傾向を示し,最も緩和率
の大きい場合でも120分後の緩和率は68%程度であった.以上の結果について,3要
素および5要素粘弾性モデルを用いた遮水シートの単軸引張り変形に関する温度依
存式,ひずみ速度依存式,および遮水シート・不織布の応力緩和に関する予測式を
提案した.

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