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貨物輸送費用も考慮した港湾施設の耐震設計における経済評価手法の構築

国総研資料 NO.0125 2003.12

執筆者柴崎隆一,森屋陽一,渡部富博,安間 清
所属港湾研究部  港湾システム研究室

要旨

 本研究は,重力式岸壁を例に,被災状態が確率的に出現することを考慮した場合
の,貨物輸送費用も考慮した港湾施設の経済評価手法を構築することを目的とし
た.具体的には,個別の港湾構造物について設計震度を選択する問題として捉え,
加速度別の地震発生確率と,想定される断面を設計震度ごとに用意し,被災状態別
のフラジリティカーブに基づき,モンテカルロシミュレーションによって各加速度
における被災の出現状態をシミュレートする.さらに,得られた被災状態につい
て,その復旧費用や貨物輸送における経済損失を求め,得られた被害額に加速度別
の地震発生確率を乗じて積分して地震被災による被害額の期待値を設計震度ごとに
得,設計震度ごとの投資費用を足しあわせた総コストが最小となる設計震度を選択
するものである.また,提案した手法を,単独もしくは複数のコンテナバースをも
つ港湾を例に適用し,迂回輸送に伴う経済損失の考慮の有り無しによって,
得られる最適設計震度が異なる場合があることを示した.

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