国総研資料

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2002年東京湾広域環境調査に基づく東京湾の滞留時間の季節変化

国総研資料 NO.0169 2004.06

執筆者高尾 敏幸,岡田 智也,中山 恵介,古川 恵太
所属沿岸海洋研究部  海洋環境研究室

要旨

2002年7月から2003年6月の期間に22回、27地点で実施された東京湾広域環境調査の
塩分・水温データを用いて東京湾の海水の滞留時間を調べた。海水の滞留時間の解
析には東京湾を内湾と外湾に分割し、質量の保存則と塩分の保存則を基礎式とする
ボックスモデルを用いた、境界条件となる淡水流入量は東京湾流域への降水量、流
域外からの流入水量と取水量、海域での直接降雨および蒸発量から算出した。その
結果、2002年の東京湾内湾の海水の滞留時間は夏季は約20日、冬季は約40日という
結果を得た。この結果を過去(1947年から1974年の期間平均)の海水の滞留時間の
季節変化と比較したところ、両者は海水の滞留時間は夏季に短く、冬季に長いとい
う季節変化をもつ点で一致した。また夏季の海水の滞留時間は一致した。しかしな
がら、冬季の値に関しては過去の値は約90日なのに対して、2002年の解析結果は約
40日であった。

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