国総研資料

一覧へ戻る

空港舗装建設廃棄物の再資源化促進方策

国総研資料 NO.0176 2004.06

執筆者八谷 好高,松崎 和博,坪川 将丈,湯浅 楠勝,早野 公敏,秋本 洋胤
所属空港研究部  空港施設研究室

要旨

 循環型社会の実現に向けて,いわゆるリサイクル法,建設リサイクル法といった
リサイクルに関する法体系の整備が進められている.空港舗装の補修工事等により
不要となった既存部分の材料は,他所からのものに比べて品質が優れていると考え
られることから,現場内で再利用することが望まれる.また,既存施設の解体等に
伴う廃棄物がないときには,他所からの材料の受け入れを考慮しなければならな
い.しかし,現行規定に基づく使用方法ではこれらの要請に対処できない恐れが強
いことから,新たな利用方法について検討した.
 本資料では,アスファルトコンクリート塊,コンクリート塊を空港舗装の表・基
層またはコンクリート版,路盤として再利用する方策として,アスファルトコンク
リート塊の安定処理路盤への適用性とコンクリート塊のコンクリート版への適用性
を中心に取りまとめた.後者においては,市中プラントから入手可能な材料につい
ても検討の対象としている.一連の室内試験の結果として,現時点において次のよ
うな結論が得られた.
(1) アスファルトコンクリート塊は,まず表層・基層アスファルトコンクリートと
して適用し,次に安定処理路盤として再利用を考えるべきである.前者の場合,空
港舗装に使用されていたアスファルトコンクリートを原材料とし,再生率を70%まで
とした場合には,基層にはもちろんのこと,表層であっても誘導路の場合には適用
可能である.後者の場合,セメント安定処理材もしくはアスファルト安定処理材と
するのが有効である.
(2) コンクリート塊については,まず粒状路盤材として,次にそれ以外の再利用方
法を考えるべきである.前者の場合は,水浸による性能低下に注意する必要があ
る.また,後者の場合は,今回の基本的検討結果からではあるが,コンクリート版
としても適用性があると考えられる.

一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.