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HFレーダーによる東京湾のM2潮流観測

国総研資料 NO.0212 2005.03

執筆者日向博文
所属沿岸海洋研究部  主任研究官

要旨

 東京湾において最も支配的な流れの一つであるM2潮流の空間分布をHFレ
ーダー観測によって求めた。HFレーダーとAD(C)P観測結果から求めたM2潮流
楕円を比較した結果、HFレーダー視線方向流速誤差には偏りが存在し、その
ため、十分な数の観測データを遣い最小自乗に基づいて潮流楕円を求めた場
合でも、潮流楕円の精度は観測点におけるビーム交差角度の影響を受けるこ
とが明らかになった。4局のHFレーダー観測結果から湾内ほぼ全域における
妥当なM2潮流分布を得ることが出来た。このことは、東京湾全域における潮
流分布を同時に精度良く把握するためには、少なくとも4局以上のHFレーダ
ーが必要である事を示唆している。位相は、湾内ほぼ全域で60°-70°の範囲
であるが、富津岬沖で20°-40°程度位相が進んでいた。また、湾内の西側に
比べて東側の位相が進んでいる様子は、既往の研究結果に見られたようには
明確な形では現れなかった。

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