国総研資料

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わが国の空港の観光利用特性に関する研究

国総研資料 NO.0242 2005.06

執筆者羽生 冬佳
所属空港研究部  空港ターミナル研究室

要旨

現在,航空輸送サービスの高度化や空港を核とした観光交流の促進など観光
振興を促進するための施策が検討されているが,その際に各空港および実際
に観光の対象となる後背地域の観光利用の現状や観光ポテンシャルを把握す
ることが要される.本研究では,「航空輸送統計調査」「航空旅客動態調
査」といった既存統計を用いて@空港の利用目的の特性とその変遷,A各空
港からの観光エリアの範囲を明らかにし,さらにB空港を核とする観光地域
の特性を現在把握できる指標を用いて明らかにした.その結果,観光を目的
とする利用者の比率は全体的に上昇傾向であり,また観光目的の利用客が現
在過半数を占めている空港や,堅調に観光目的比率を増加させている空港,
あるいは全体傾向と反して観光利用者比率が停滞している空港の存在が明ら
かになった.さらに,そうした観光利用客が後背地にどのように展開してい
るかについては,母都市へ集中するタイプ,母都市+観光拠点の2極を有す
るタイプ,あるいは広範に分散するタイプなど様々であった.こうした現況
および地域の観光ポテンシャルを踏まえて,各空港では実情に応じた柔軟な
対応を行っていくことが必要である.

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