少子高齢化の進展やバブル崩壊により,ウォーターフロントにおける土地
利用は,従来より大きく変化してきている.また,地域経済が停滞する中
で,地域経済の活性化が重要な課題となっている.このような状況の中で,
ウォーターフロントにおける土地利用のシフトを円滑に進め,地域の活力を
引き出す施策が強く求められている.そのためには,従来のウォーターフロ
ント開発手法を有効に活用することに加えて,時代にあった新しい開発手法
を導入することが必要である.
従って,国内のウォーターフロント開発において,新しい制度の導入を検討
するための基礎資料とするため,ニューヨーク,ボストン,トロントといっ
た北米の代表的なウォーターフロントにおいて,過去の開発に適用されたあ
るいは現在適用されている開発と管理運営の仕組みについて調査を行う.具
体的には,開発の仕組みとしては,開発計画,開発基本方針,開発体制,ゾ
ーニング規制などについて,管理運営の仕組みとしては,管理運営体制,財
務計画,経済効果などについて着目し,文献調査や現地ヒアリングに基づき
整理と考察を行う.
また,米国における一般的なウォーターフロント開発に関わる手法と制度
(開発管理体制,ゾーニングと地区計画,用地取得,民間ディベロッパーに
対するインセンティブ)について整理するとともに,米国のウォーターフロ
ントに適用されている主な都市計画制度について整理を行う.
また,北米におけるウォーターフロント開発の最新事例について調査し,国
内において今後ウォ−ターフロント開発を推進するための参考資料とする.
具体的には,サウスボストン再開発とトロント南部地区再開発の二つを取り
上げ,導入機能や土地利用計画だけでなく,交通計画,住民参加プロセスな
どにも着目し,その内容や特徴について,文献調査や現地ヒアリングに基づ
き整理と考察を行う.
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