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東アジアの航空ネットワークにおける国際航空旅客流動分析のためのモデル構築

国総研資料 NO.0286 2006.03

執筆者石倉智樹
所属空港研究部  主任研究官

要旨

米国国内や欧州の航空ネットワークでは,ローコストキャリアの台頭により
二地点間輸送の形態が拡大し,ハブアンドスポーク全盛の時代から大きな変
化が生じている.この傾向は一部のアジア地域にも現れつつある.さらに,
航空機材に着目すると,リージョナルジェットと呼ばれる小型ジェット機の
航空ネットワークへの投入が進んでいる.また,中国をはじめとする東アジ
ア諸国では,経済成長に後押しされた航空需要の伸びが大きく,高い水準の
成長率を示している.
こうした国際航空ネットワーク市場の動きは我が国の航空市場にも影響を及
ぼすと考えられ,航空政策においても,自国だけではなく東アジア全体の航
空市場を視野に入れる必要がある.本研究は,東アジアの航空輸送市場を見
据えた政策決定を支援するツールとして,東アジアの国際航空ネットワーク
における旅客流動分析モデルを構築した.さらに,モデルの検証を行うた
め,仮想的な将来シナリオとして,中国のOD需要増加シナリオと東アジア域
内における機材小型化などのいくつかのシナリオを設定し,モデルの挙動解
析を行った.その結果,個々の航空路線や空港における再現性や,外生イン
パクトに対して敏感という課題を残すものの,東アジアの航空旅客流動パタ
ーンを概ね再現可能な手法であり,今後のシナリオ分析に有用なツールとな
ることを確認することができた

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