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スリランカにおけるインド洋津波被害の現地調査

国総研資料 NO.0304 2006.06

執筆者熊谷兼太郎,小澤敬二
所属沿岸海洋研究部  沿岸防災研究室

要旨

本研究では,2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震にともなうインド
洋津波について,スリランカ・ゴールを中心としてゴール港,背後市街地等
の被害調査を行った.
その結果,スリランカの貨物取扱量のうち約9割を取り扱うコロンボ港にお
いては約2m程度の津波が来襲したものの,港湾施設等の顕著な被害はなく,
港湾活動への影響もほとんどなかった.また,スリランカでは国内輸送は約
8割を道路輸送が占めており,コロンボ以外の港湾が津波で被災したことに
よる港湾間の代替海上輸送等は発生しなかったと考えられる.スリランカ南
西部のゴール港においては,約5?7m程度の津波が来襲し,公共上屋の扉の破
損,周囲と比較して低い地盤の吸い出し,水域への土砂堆積,第一線防波堤
の被災等が発生した.なお,津波により水深が大きくなった水域もあった.
ゴール港では地震発生後12日で最初の貨物船が入港し比較的早期に運用を開
始する等,港湾活動への影響は比較的少なかった.さらに,ゴール市街地に
ついて浸水深分布図及び浸水範囲図を作成した.その結果,浸水はゴール市
街地北部を横断する鉄道の線路付近まで達し,また,ゴール市東部を流れる
Moragoda川及びゴール市西部を流れるKepu川では,比較的上流の地点におい
ても浸水が発生したことが分かった.

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