
ひずみエネルギー密度関数を用いた管理型廃棄物埋立護岸遮水シートの変形挙動評価
国総研資料 NO.0307 2006.06
| 執筆者 | 狩野真吾,小田勝也,近藤三樹郎 |
| 所属 | 沿岸海洋研究部 沿岸防災研究室 |
要旨 | 本研究では,管理型廃棄物埋立護岸の遮水工に敷設されるポリ塩化ビニル製 遮水シートを対象とし,一軸拘束二軸引張試験ならびに均等二軸引張試験を 行った.また,一軸拘束二軸引張試験によって遮水シートのW関数の偏微分値 を求めた.さらに,得られたW関数形を用いて遮水シートの一軸引張変形およ び均等二軸引張変形時の応力ひずみ挙動の評価を試みた. 一軸拘束二軸引張試験の結果,約220 %ひずみまでの一軸拘束二軸引張変形 時の遮水シートの応力ひずみ関係が明らかになった.また,均等二軸引張試 験により,約100 %ひずみまでの均等二軸引張変形時の遮水シートの応力ひず み関係が明らかになった. W関数を用いて推定した一軸引張変形時の応力−ひずみ曲線は,実験値に対し て応力の増加傾向(曲線の勾配)については良く一致したが,応力値にはネ ッキング現象による影響と思われる差異が見られた.一方,均等二軸引張変 形時の応力−ひずみ曲線は,約80 %までの低ひずみ領域においてW関数による 計算値と実験値の誤差は20 %未満であり,同領域におけるW関数を用いたおお よその推定は十分に可能であることがわかった. 水圧膨張実験において均等二軸変形していると考えられる天頂部の応力−ひ ずみ曲線は,約50 %までの低ひずみ領域において,W関数による計算値の最大 約1.5倍の精度で推定可能であることが示唆された. |
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