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国内航空市場における寡占競争を考慮した需要分析モデルの構築

国総研資料 NO.0314 2006.06

執筆者石倉智樹,石井正樹
所属空港研究部  空港計画研究室

要旨

航空政策検討のために用いられている従来の航空需要予測モデルでは,航空
輸送サービス供給者であるエアラインの行動がモデル化されておらず,運航
頻度,運賃,路線設定,機材選択等については,与件の前提条件・シナリオ
とされている.したがって,政策効果の評価を行うにあたり,政策がエアラ
インの行動に及ぼす影響をモデルで表現することができない.運航規制の変
化,空港使用料変化など,エアラインの供給行動に影響する政策による旅客
需要への影響を評価するためには,エアラインの行動を明示的に考慮する手
法が必要である.
そこで本研究は,多様な航空政策を評価可能な手法開発を目的とし,航空市
場をより詳細に分析するための航空市場モデルの開発を行った.本モデル
は,少数企業による寡占的状態という航空市場の特性を明示的に考慮してい
る.また,近接空港間におけるエアラインの便数配分もモデル化されてい
る.現況再現性検証の結果より,需要の量的な再現精度に課題を残すもの
の,OD間および路線間における需要・便数の相対的関係は概ね再現すること
ができた.

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