国総研資料

一覧へ戻る

空港コンクリート舗装の温度応力に関する研究

国総研資料 NO.0341 2006.09

執筆者坪川将丈,水上純一,江崎徹,八谷好高
所属空港研究部  空港施設研究室

要旨

空港コンクリート舗装の設計では,航空機荷重によりコンクリート版に発生
する荷重応力と,温度変化によるコンクリート版の自由な変形が版の自重等
により拘束されることにより発生する温度応力を考慮する必要がある.しか
しながら,現在用いられている経験的設計法では,コンクリートの設計基準
曲げ強度を設計反復作用回数に応じた安全率で除した曲げ強度を荷重応力が
超過しないようにすることで温度応力を考慮している.コンクリート舗装の
版厚を理論的に検討する上では,温度応力を正確に算出する必要があること
から,コンクリート試験舗装の温度とひずみの長期観測を実施し,空港コン
クリート舗装に適用可能な温度応力式を検討した.
その結果,以下の結論が得られた.
(1) 道路コンクリート舗装と比較して,空港コンクリート舗装のように版厚
が厚い場合には圧縮内部拘束応力が大きく,引張温度応力は小さくなる.
(2) 最大温度応力と最大版上下面温度差の関係から,最大温度応力は最大版
上下面温度差を説明変数とする一次式により精度良く推定可能である.
(3) 温度応力が最大となるのは,版上下面温度差が発生してから2,3時間後
であり,ある時刻に版に発生する温度応力を推定するには,提案した温度応
力式に2,3時間前の版上下面温度差を入力することで,精度良く推定でき
る.

一覧へ戻る

お問い合わせはkikaku@ysk.nilim.go.jpまでお願いします。

(C)Copyright 1996-2007 Nationnal Institute for Land and Infastructure Management(NILIM)
No reproduction or republication without permission.