
地方空港の利用促進に向けた利用者特性に関する基礎的研究−鹿児島空港,長崎空港,仙台空港を例に−
国総研資料 NO.0374 2007.02
| 執筆者 | 小島 肇,羽生冬佳 |
| 所属 | 空港研究部 主任研究官 |
要旨 | 現在,「航空輸送サービスの高度化」や「空港を核とした観光交流の促進」 などの施策が航空局により検討,実施されており,空港においては,地域の 活性化や観光振興を目指した地方空港の利用促進が求められている.そのた めには,各地域の地域特性や各空港の利用者を把握し,利用者の特性やニー ズに応じた,空港のソフト・ハードの整備が必要である.また,空港を中心 とした地域の特性を把握し,各地域における空港利用者の流動に対応した地 域間や空港間の連携や,地域の拠点としての空港の高度化が求められる. そこで本研究では,訪問者の利便性向上による空港の利用促進を図るため, 目的地側空港に主眼をおいた空港の利用者特性を分析し,現状と課題を2つ のデータより分析,整理した.@「航空旅客動態調査」のデータを用い,空 港の利用目的の特性と各空港からの目的地エリアの範囲を明らかにし,さら に,A鹿児島空港,長崎空港,仙台空港においてアンケート調査を行うこと により地域内における行動特性の事例分析を行った.その結果,3空港の利 用者の目的地の分布状況について特性を整理するとともに,アンケート調査 の分析によって,地域や空港によって「利用者の属性や空港からの2次交通 手段が異なる」「空港によっては旅客が広域に流動する」「地域によって は,地域への入口となる空港と出口となる空港が異なる」ということが明ら かになった.今後は3空港以外についても分析を行い,地域や空港によって 異なる特性を明らかにすることにより,地方空港の利用促進に向けた空港の 利用方策,空港間の地域連携方策の提言に発展させる必要がある. |
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