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東京国際空港D滑走路の舗装構造に関する室内試験

国総研資料 NO.0375 2007.02

執筆者江崎 徹,八谷好高,坪川将丈,水上純一,野口孝俊
所属空港研究部  空港施設研究室

要旨

東京国際空港再拡張事業において建設される4本目の滑走路は,埋立・桟橋併
用工法によるものである.国内の空港においては,桟橋構造による空港島建
設の実績はなく,その構造上に航空機荷重が載った場合の舗装構造の力学的
挙動についてはあまり知見がない.そのため,室内試験によって,桟橋構造
上に配置されたコンクリート床版上の空港アスファルト舗装におけるアスフ
ァルト混合物の力学的挙動の把握,床版防水性及び付着性に関する検討,ア
スファルト混合物の疲労耐久性に関する検討を行った.
 その結果,以下の結論が得られた.
1) ホイールトラッキング試験及び水浸ホイールトラッキング試験結果によ
り,表層(改質U型)の動的安定度(DS)が2,500回/mm以上であること,また,
剥離抵抗性に関しては,十分な性能を有していることがわかった.
2) 特殊ホイールトラッキング試験及び特殊水浸ホイールトラッキング試験結
果により,20,000回の走行載荷試験後においても,コンクリート床版とSMA層
間の付着力は十分な性能を有しており,それは水浸時においても変わらな
い.
3) 改質U型,排水性,SMAの各アスファルト混合物に対して,上限を20万回
とし曲げ疲労試験を行った結果,各試験条件においても疲労破壊を起こすこ
とはなかった.また,D滑走路の10年間の設計カバレージと比較しても,その
交通量において,疲労破壊を起こすことはないものと考えられる.

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