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FORM と SORMによる信頼性指標の相互比較

国総研資料 NO.0379 2007.03

執筆者宮脇周作,長尾 毅
所属港湾研究部  港湾施設研究室

要旨

FORM(First-Order Reliability Method)とSORM(Second-Order Method)はと
もに、近似的に破壊確率を算出する信頼性解析手法であるが、一般的には、
取扱いが容易なFORMが用いられる場合が多い.しかしながら、性能関数の非
線形性が強い場合には解析精度が低下する恐れがあるため、FORMの解析精度
を向上させたSORM等の方法を用いることが望ましい場合がある.
港湾施設においては、FORMを用いて防波堤の信頼性解析が実施されている
が、性能関数が非線形であるため、解析精度が低下している可能性がある.
そこで本研究は、一般的な防波堤形式であるケーソン式混成堤と消波ブロッ
ク被覆堤の滑動破壊モードを対象として、FORM、SORM両手法により信頼性解
析を実施して、信頼性指標の相互比較を行った.ケーソン式混成堤と消波ブ
ロック被覆堤の滑動破壊モードを対象にした場合、FORMと、SORMによる信頼
性指標の差は僅かであるが、性能関数の耐力項の
変動係数が大きくなるようなケース、即ち設計潮位が高いケース、および大
水深域のような設計波高が大きく、揚圧力、揚体幅が増加するケースにおい
てはFORMの精度が低下する傾向が見られるため注意を要する.

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