
本プログラムは、レベル1地震動による岸壁における照査用震度(kh)を算定するプログラムです。照査用震度は、 1次元の地震応答解析によって得られた地表面加速度の時刻歴データ等をもとに、地震動の周波数特性や継続時間の影響等を考慮し、当該施設の変形量に対応した値として算出されます。
ただし、本プログラムの手法は、変形量を直接照査するものではありません。また、特殊な地盤条件や地盤改良された地盤を対象とする際にも 注意が必要です。なお、詳細については国総研資料
No.310 [2006]参照してください。
[本プログラムにおける照査用震度の算定方法の概要](図−1参照)
1次元地震応答解析によって得られた背後地盤における地表面の加速度時刻歴を、高速フーリエ(Fourier)変換(FFT)し、地表面における
加速度フーリエスペクトルを求めます(@)。地表面における加速度フーリエスペクトルに対し構造形式毎のフィルター (A)による処理を行い、一様変形スペクトルを求めます(B)。一様変形スペクトルに対しフーリエ(Fourier)逆変換(IFFT)を行い、
フィルター処理後の加速度時刻歴を考慮して計算します(C)。フィルター処理後の加速度時刻歴より加速度最大値αfを求め、地震動の継続時間を勘案した低減率pを乗じ、地表面における補正加速度最大値αcを算出します(D)。この補正加速度
最大値αcと係船岸の天端において許容される変形量Daを用い照査用震度の特性値を算出します(E)。